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シニアが「新型栄養失調(低栄養)」を招くワケ

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全7回に渡ってお送りする「100歳時代の健康課題」と題したコラム、第5回目です。日本人の平均寿命が伸びていく中で、多くの方に健康な⽇々を過ごしていただけるような情報をお届けしてまいります。

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高齢者が低栄養を招く理由として、「生理的要因」と「外的要因」があると言われています。年齢とともに変化する身体(特に女性)や環境の変化を理解することで、意識的に「新型栄養失調(低栄養)」のリスクを下げる生活を心がけていきましょう。

生理的要因

女性の身体は、50代に入る頃から変化し、若いとき以上に栄養が必要となります。身体の変化の1つが、「消化酵素の分泌量低下」です[図No.5-1]。炭水化物・タンパク質・脂肪などを分解するさまざまな消化酵素の減少によって、栄養を十分に消化できず、吸収する力が下がります。またほかにも、50代になると女性ホルモンの分泌も激減します。カルシウムが骨から溶け出すのを防いだり、カルシウムの吸収を助けるといった女性ホルモンの働きが十分でなくなるのです。さらに、女性は男性に比べて筋肉が衰えやすく、タンパク質が身に付きにくくなっていきます。こうした生理的要因が重なるために、以前と同じようなものを、同じ分量だけ食べていても、栄養が不十分な状態になることがあります。また、年齢を重ねるごとに食が細くなっていく方もいます。

外的要因

若い頃以上に栄養を必要とするように身体が変化しているにもかかわらず、その実情に逆らうような食生活を送っているシニア女性が少なくないようです。まず問題なのが、年齢が高くなると食事が簡素になりがちなこと。「子供が巣立ったから、たくさんのおかずはいらない」とか「歳をとったら肉や油ものを避けて、あっさりした食事が身体に良い」と考える人が多くいます。しかし、その考えは、50代以降の健康には逆効果と言えそうです。
また、シニア世代にはダイエットもおすすめではありません。しかし、55歳~74歳の女性に対する調査で、半数を超える人が「ダイエットが必要」と思っていることが明らかになりました[図1-13]。自身の健康にとって良かれと思っておこなっていることが、要介護のリスクを招く低栄養につながりかねないのです。

出典:「食生活と栄養の百科事典」(中村丁次著,2005,丸善出版)
「いきいき News letter 平成25年10月24日」(ハルメク)
(http://www.halmek.co.jp/corporate/news_release/pdf/20131024.pdf)をもとに株式会社ユーグレナ作成

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